30代会社員・藤子の行った、買った、考えた!

妻子あり、藤子不二雄作品が大好きな30代サラリーマンの日常をちょっと豊かにするブログです。

「なんでお店が儲からないのかを僕が解決する」読了!ホリエモン独自の視点で飲食店を語る1冊


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 Kindle版読了。なんでホリエモンがレストランを語るの?という点に興味があって読みました。
※7月18日時点でKindle Unlimitedでは無料で読めます。 

なんでお店が儲からないのかを僕が解決する

なんでお店が儲からないのかを僕が解決する

 

各章の目次構成は以下の通りです。

第1章 僕はなぜおいしいものを食べたいのか
第2章「食べログ」「ドタキャン」「人材確保」を解決する
第3章 レストランビジネスで成功するために覚えておいてほしいこと
第4章「いい客」になるために
第5章 ホリエモンが解決する! レストラン経営の悩み相談室
第6章 ホリエモンの“食”遍歴
特別付録 ホリエモンが認めた全457店リスト

僕はホリエモンの著作は逮捕前のものからけっこう読んでいるほうです。僕が思うに各書籍の彼の主張の主だった部分は「合理化・効率化(無駄を省く)」「経営者視点」「ネットを活用せよ」「すぐやればいい(なんでやらないの?)」といったもので、その要素をどういう切り口、ジャンルで出すのかというところが特徴的かなというところです。

なので、ホリエモンがなぜこのようなレストランの経営改善本を書けるのかというと彼自身が外食をたくさんしている、また外食が好きということが基盤にありますが、上記のような「効率化」・「経営者視点」・「ネット活用」・「すぐやる」の4つの視点がレストラン、飲食業界という専門業界以前の独自の視点、切り口として持っているからだと思います。

この独自の視点、切り口はブログも同じですね(過去記事参照ください)。

rmoq.hatenablog.jp

本書では「旧態依然としたレストランが非常に多い」ということで「外食に行く理由はワクワクしたい(体験)から」なのに残念なことにワクワクしない店がある、なぜなら…と展開していきます。

特に第2章、第3章の目次小見出しがけっこう面白そうでですね、こんな感じです。

第2章
行き詰っている店主が必ず口にすること

三大問題1【食べログ食べログと上手に付き合うには?

SNS への投稿は「ある」が前提

三大問題2【ドタキャン】ビジネスチャンスにもなるので1年以内にシステム化?

SNSを使って空席情報を発信する

三大問題3【人材確保】人材問題は飲食業界の根本的な解決が必要

少しでも安くしたいなら初期投資を抑える

三大問題・番外編 クレジットカード不可……あり得ない!

第3章
経営的には歯がゆいことだらけ

規制のゆるさが日本のレストランを育てた

凝り固まっているのは職人の世界

現代のコミュニケーションツールを使って産地と直接「つながる」

直接のやり取りがヒントを生む

10年続くお店にしたいなら進化を止めないこと

パクリ、パクられ、文化は進化する

職人にしか作れないものは作るな

全員がハッピーな価格設定をする

誰かが不幸になる価格は長続きしない

じゃあ、僕が飲食店を出すとしたら?

食べログに関しては今はそこまで重視されてはないよねっていうネットの肌感覚もありつつ、ドタキャン問題、クレジットカード使えない問題に独自の視点で触れています。

確かにクレジットカード使えないお店は確かに色々とお客側にストレスをかけてしまうものになっているよな…。

ホリエモンなりの具体的な解決方法(基本的にはスマホとカードリーダを使ったクレジットカード決済システムの導入)も提示されているものの、ネットが苦手(あるいは嫌い)な人がやってるお店では導入は難しいんじゃないかな、という気持ちにもなりました。

また、古い慣習にとらわれたままで進歩、進化がないお店で修行するのは時間がもったいない、経験を積ませてもらえない名店で10年働くよりも自分でネット動画などを参考にしながら独力でも10年修行するほうがずっと身になる、と説いています。これは確かにこれからの時代、こういうチャレンジをする若い飲食店経営者はどんどん出てきそうな気がします。

また「じゃあ、僕が飲食店を出すとしたら?」では、「お店に行かなきゃいけなくなるのでやらないが前提」としながらも、年収2000~3000万円を目指すなら1店舗でカレー屋をやるといい、数億円以上を目指すのならアメリカで焼き肉屋をチェーンでやる、ということが書かれていて、なぜカレー屋1店舗なのか?ということも含めてなるほどということで面白かったです。ちなみに、ラーメン屋は仕込みが大変でブラック労働環境じゃないと成り立たなくなっているのでやらないそうです…。

そういえば、サカキシンイチロウさんがほぼ日の連載でこんな趣旨のことを書かれていたことを思い出しました。

料理屋、レストランというものは拡大していかないといつか経営的に苦しくなる。というのは、いわゆる良心的な店の場合、価格はほとんど変えない(上げない)ので売上の上限はおのずと存在する。しかしスタッフの経験は増えるし技術は上がっていく。となると給料はアップするので人件費は徐々に上がるため、2号店、3号店を出して売上を拡大しなければ人件費で経営が圧迫されてしまうようになる、という論旨でした。
参考 ほぼ日刊イトイ新聞-おいしい店とのつきあい方。

本書を読んでこの問題の解答として思ったのは、2号店を出していく、というのも一つの解決方法なのですが、「誰かが不幸になる価格は長続きしない」の主張の通り、料理のメニュー・価格を見直すなどして、誰かの犠牲や我慢のもので成り立たないような仕組み・価格を考えるということなのだろうなあと。

最後に、本書の約半分弱を占める「全457店リスト」は店舗名+ワンポイントコメントとなっていて、どこの地域にあるお店なのかわかりません。

ほとんどが東京のお店なんだろうと思いますが、興味がある場合はあらためて店舗名でネット検索しないとわからない作りになっているのは惜しいと思いました。検索するだろうということで書かれたのかなあ…。

全体として読みやすくわかりやすい1冊でした。飲食店の仕事をしている方や良いお店を探したい人、ホリエモンファンにはおすすめですね。